白内障が気になる方へ
神戸市東灘区 きしもと眼科 院長 岸本隼人(日本眼科学会認定 眼科専門医)
「最近まぶしく感じる」「眼鏡を新しくしたのに、すっきり見えない」「夜の運転で対向車のライトがにじむ」。
こうした変化を、年齢や疲れのせいだと思っていませんか。これらは白内障の初期によくみられる症状です。
白内障はゆっくり進むため、変化に気づきにくい病気です。この記事では、初期症状と、ご自身でできるセルフチェックをご紹介します。
冒頭のイラストはイメージです。実際の患者さんや診療風景ではありません。
この記事のポイント
- 初期には、かすみだけでなくまぶしさ・夜の見えにくさ・眼鏡の度が合わないといった変化が出ることがあります。
- セルフチェックは受診のきっかけにするもので、診断の代わりにはなりません。
- 急に見えにくくなった、ゆがむ、視野が欠けるときは、白内障以外の病気の可能性もあるため早めに受診してください。
白内障とは
白内障は、目の中でレンズの役割をしている水晶体(すいしょうたい)が濁る病気です。濁った水晶体で光が通りにくくなったり散らばったりするため、見え方にさまざまな変化が起こります。[1][2]
初期に出やすい7つの症状
白内障の症状は「白くかすむ」だけではありません。濁る場所や程度によって、次のような変化が出ることがあります。[1]
① かすむ・ぼやける
すりガラス越しのように見える。眼鏡をふいてもすっきりしない。
② まぶしい
晴れた日の屋外や明るい照明の下で、かえって見えにくい。
③ 夜に光がにじむ
対向車のライトや街灯の周りに、輪やにじみが見える。
④ 色がくすんで見える
白いものが黄ばんで見える。色の区別がつきにくい。
⑤ 眼鏡の度が合わない
短い期間に何度も眼鏡を作り直している。
⑥ 片目でも二重に見える
片目を隠しても、月や文字がだぶって見える。
⑦ 手元が急に見やすくなった
老眼鏡なしで新聞が読めるようになったが、遠くは見えにくい。
⑦は「老眼が治った」わけではありません
水晶体の中心が硬く濁るタイプの白内障では、ピントが近視の方向にずれ、一時的に手元が見やすく感じることがあります。このような変化も受診のきっかけにしてください。
白内障のセルフチェック
ふだんの生活を振り返って、当てはまるものを数えてみてください。片目ずつ手で隠して確かめると、左右の差に気づきやすくなります。
当てはまる項目がある方は
特に2つ以上当てはまる方は、一度眼科で検査を受けることをおすすめします。当てはまる項目がなくても、見え方が気になる場合はご相談ください。
このチェックは受診のきっかけにするためのもので、白内障かどうかを判定するものではありません。同じような症状は、ほかの目の病気でも起こります。
早めに受診したい症状
白内障は数か月から数年かけてゆっくり進むことが多い病気です。次のような症状は白内障以外の病気の可能性もあるため、早めに受診してください。
白内障と、緑内障や網膜の病気が同時にある方も少なくありません。見えにくさの原因を正しく調べることが大切です。
眼科で行う検査
白内障の診断では、主に次の検査を行います。痛みをともなう検査はありません。[2]
視力・屈折検査
眼鏡をかけてどこまで見えるか、度数の変化を調べます。
細隙灯顕微鏡検査
顕微鏡で、水晶体の濁りの場所と程度を確認します。
眼底検査
網膜や視神経に、ほかの病気がないかを確認します。
瞳を広げる目薬を使うと、数時間ほどまぶしさやピントの合いにくさが続きます。検査の日は、車・バイク・自転車を運転して来院しないでください。
白内障と言われたら、すぐ手術?
白内障と診断されても、すぐに手術が必要とは限りません。生活に大きな支障がなければ、経過をみる場合もあります。
手術の時期は、視力の数字だけでなく、まぶしさや運転・仕事・趣味での困りごと、目の状態を合わせて判断します。[3]詳しくは「白内障手術はいつ受ける?」をご覧ください。
当院の白内障手術
日帰りで手術を行っています。単焦点眼内レンズ(保険診療)のほか、多焦点眼内レンズ(選定療養)も取り扱っています。手術の方法・レンズの種類・費用・手術後の生活は、白内障手術のページにまとめています。
よくあるご質問
院長からのメッセージ
白内障の見えにくさは少しずつ進むため、「年のせい」「眼鏡が合っていないだけ」と思って過ごしている方が多くいらっしゃいます。
見え方の変化は、運転や仕事、趣味、転倒の危険など、毎日の暮らしに関わります。セルフチェックで気になる項目があった方も、なかった方も、見え方に不安があれば気軽にご相談ください。検査の結果をていねいにご説明し、今後の見通しを一緒に考えていきます。
きしもと眼科 院長 岸本隼人
参考資料
本記事は一般的な医療情報です。診断や治療の方針は、診察・検査の結果に基づき個別に判断します。参考資料確認:2026年10月20日。

