紫外線、その目への影響は?(専門医による解説)

☀️ 紫外線対策について

紫外線は目にどんな影響がある?リスクと対策を解説

神戸市東灘区 きしもと眼科 院長 岸本隼人

こんにちは、神戸市東灘区のきしもと眼科・院長の岸本隼人です。

紫外線が肌に与える影響はよく知られていますが、目にも大きなダメージを与えることはあまり知られていません。目は顔の中でも紫外線に直接さらされやすい部分であり、長期間の紫外線対策を怠ると、白内障・翼状片・紫外線角膜炎などさまざまな病気のリスクが高まります。今回は紫外線が目に与える影響と、日常生活でできる対策について詳しく解説します。

3〜4月〜
紫外線量が
急激に増える時期
無防備
目は紫外線に
直接さらされやすい
積み重ね
長年の紫外線被曝が
病気のリスクに
目次

☀️ 紫外線が強くなる時期

紫外線は3〜4月ごろから急激に増え始め、夏にピークを迎えます。「日焼け」のイメージから真夏だけ注意すればよいと思われがちですが、実際には春先からすでに紫外線量は高くなっています。また、雪面や水面・砂浜などでは紫外線が反射して通常より多くの紫外線が目に入るため、夏のレジャーやスキー・スノーボードの季節も特に注意が必要です。

⚠️ 紫外線が引き起こす目の病気

白内障
目の中のレンズの役割をする水晶体が濁る病気です。主な原因は加齢ですが、長期間にわたり紫外線を浴びることで水晶体のたんぱく質が変性し、発症リスクが高まることが報告されています。紫外線量の多い地域ほど白内障患者が多いという疫学データもあり、紫外線は白内障の重要な危険因子のひとつです。
翼状片(よくじょうへん)
白目の表面を覆う結膜が、目頭側から黒目に向かって三角形状に入り込んでくる病気です。紫外線による白目への繰り返しの刺激が発症に関係しているとされ、高齢者や屋外作業の多い方に多くみられます。充血・異物感から始まり、進行すると黒目(瞳孔)まで及んで視力障害を起こすこともあります。悪化してからの手術では視力障害が残ることもあり、再発しやすいことも知られています。
紫外線角膜炎(雪目・電気性眼炎)
強い紫外線を浴びることで角膜(黒目の表面の透明な膜)に傷がつく急性の障害です。スキー場や海など紫外線の反射が強い場所でのレジャーで多くみられ、「目の日焼け」のような状態になります。目の痛み・異物感(ゴロゴロ感)・充血・流涙のほか、ひどい場合はまぶしさやかすみを伴うこともあります。
加齢黄斑変性症
網膜の中心部「黄斑」が傷み、視力低下やものがゆがんで見える病気です。明確な機序はまだ研究が進められていますが、長期間の紫外線・可視光線への露出が発症リスクのひとつと考えられています。50歳以上の方や喫煙者は特に注意が必要です。

📋 急性障害と慢性障害の違い

急性障害(紫外線角膜炎など)

短時間に強い紫外線を浴びることで起こる障害です。多くは48時間程度で回復しますが、急性障害を繰り返していると慢性的な障害につながることがあります。

慢性障害(白内障・翼状片など)

長年にわたる紫外線の蓄積(積算被曝量)によって徐々に進行する障害です。自覚症状が出るまでに何年もかかるため、若いうちからの対策が将来の発症リスクを左右します。

⚠️ 紫外線による目のダメージは長年かけて蓄積していきます。「今は何ともない」と思っていても、将来の白内障・翼状片のリスクを下げるために、できるだけ早くから対策を始めることが大切です。

🕶 目を守る紫外線対策

  • UVカット機能のあるサングラス・眼鏡を着用する:紫外線対策の基本です
  • 帽子・つばの広い帽子を併用する:上方からの紫外線を遮ります
  • UVカット機能付きのコンタクトレンズを使用する:サングラスと併用するとより効果的です
  • 水辺・雪面でのレジャーでは特に注意する:反射光により紫外線量が増えるため、サングラスは必須です
  • ルテイン・アスタキサンチンなどを含む食事を意識する:抗酸化作用のある栄養素は目の健康をサポートします

🔍 サングラスの選び方の注意点

サングラスを選ぶ際は、レンズの色の濃さだけで判断しないことが重要です。色が濃いだけのレンズでは紫外線をカットできていない場合があり、むしろ瞳孔が開いて紫外線が入りやすくなることもあります。「UV400」など紫外線カット率が明記された製品を選ぶようにしましょう。

サングラスの「隙間」にも注意
サングラスと顔の間にできる隙間から入り込む紫外線が、角膜の鼻側に集中して当たることがあります(コロネオ現象)。これは目に強いダメージを与えることがあるため、顔にフィットする形状で側面までカバーするタイプを選ぶとより効果的です。

❓ よくあるご質問

Q. 曇りの日は紫外線対策をしなくても大丈夫ですか?
きしもと眼科キャラクター
A. いいえ、曇りの日でも紫外線は雲を通過して地表に届きます。晴天時の60〜80%程度の紫外線が届くといわれているため、曇りの日でも対策を続けることをおすすめします。
Q. 子どもにも紫外線対策は必要ですか?
きしもと眼科キャラクター
A. 紫外線によるダメージは長年の蓄積で病気のリスクが高まるため、小児期からの紫外線対策が将来の眼疾患予防につながると考えられています。お子様にも帽子やUVカット眼鏡などの対策をおすすめします。
Q. 紫外線角膜炎になったらどうすればいいですか?
きしもと眼科キャラクター
A. 強い目の痛み・異物感・充血・まぶしさなどの症状がある場合は、自己判断せず早めに眼科を受診してください。多くは48時間程度で回復しますが、症状が強い場合は適切な処置が必要です。
Q. 翼状片は手術が必要ですか?
きしもと眼科キャラクター
A. 軽度であれば経過観察で問題ない場合もありますが、進行して視力に影響が出ている場合は手術による切除が検討されます。再発しやすい病気でもあるため、紫外線対策を継続することが大切です。気になる症状がある方はご相談ください。

✉️ 院長からひとこと

きしもと眼科 院長 岸本隼人

紫外線は肌のダメージばかり注目されがちですが、目にも確実に影響を与えています。白内障や翼状片は、長年の紫外線の蓄積が関係していることが多く、「今は症状がないから大丈夫」と思っていても、将来のリスクにつながることがあります。日頃からサングラスや帽子を活用し、目を紫外線から守る習慣をつけていただきたいと思います。気になる症状やご不安なことがあれば、神戸市東灘区・魚崎エリアの当院までお気軽にご相談ください。

本記事は患者様への情報提供を目的としたものです。治療の適応については個人差があります。診察・検査のうえ医師の判断のもとで治療方針を決定いたします。

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