新しい緑内障点眼(ロープレッサ点眼液)について

💊 緑内障治療の新しい選択肢

新しい緑内障点眼薬「ロープレッサ点眼液」とは?

神戸市東灘区 きしもと眼科 院長 岸本隼人

こんにちは、神戸市東灘区のきしもと眼科・院長の岸本隼人です。

2026年6月、緑内障・高眼圧症の治療薬として新しい点眼薬「ロープレッサ点眼液0.02%(一般名:ネタルスジルメシル酸塩)」が承認されました。1日1回の点眼で、2つの異なる作用機序により眼圧を下げる新しいROCK阻害薬です。今回はロープレッサの特徴・作用機序・従来薬との違いについて解説します。

1日1回
点眼で治療できる
利便性の高い新薬
2つの機序
房水流出促進+
房水産生抑制
2026年6月
参天製薬より
国内承認取得
目次

🔍 ロープレッサ点眼液とは?

ロープレッサ点眼液は、参天製薬が製造販売する緑内障・高眼圧症治療薬です。有効成分はネタルスジルメシル酸塩で、新規のROCK阻害薬(Rhoキナーゼ阻害薬)に分類されます。

同じROCK阻害薬としてすでに使用されているグラナテック点眼液(リパスジル)は1日2回点眼ですが、ロープレッサは1日1回の点眼で治療が可能です。また、ROCK阻害以外にも新たな作用(ノルエピネフリントランスポーター阻害)を併せ持つ点が特徴です。

📌 適応:既存の緑内障治療薬で効果が不十分、または副作用などで使用できない緑内障・高眼圧症の患者様が対象です。

⚙️ 2つの作用機序

ロープレッサが眼圧を下げる仕組みは、大きく2つの作用によるものです。

① ROCK阻害作用(房水流出の促進)
Rhoキナーゼ(ROCK)を阻害することで、線維柱帯流出路からの房水の流出を促進します。目の中を流れる房水がスムーズに外に出やすくなることで眼圧が下がります。この作用はグラナテック(リパスジル)と同様の機序です。
② NET阻害作用(房水産生の抑制)
ノルエピネフリントランスポーター(NET)を阻害することで、房水の産生を抑制
「房水流出促進+房水産生抑制」の2つの働きを1本の点眼薬で
従来の配合点眼薬は複数の成分を組み合わせて2つの効果を出しますが、ロープレッサは単一成分でこの2つの作用を持ちます。βブロッカーを含まないため、気管支喘息・心疾患がある方でも使用できる可能性があります(ただし医師による判断が必要です)。

📊 グラナテックとの比較

ロープレッサ グラナテック
一般名 ネタルスジル リパスジル
点眼回数 1日1回 1日2回
ROCK阻害
NET阻害(房水産生抑制) ○(新機能) ×
βブロッカー含有 なし なし
主な副作用(充血) あり(約50%) あり

📋 適応・使用方法

適応
他の緑内障治療薬で効果が不十分、または使用できない緑内障・高眼圧症の患者様が対象です。新薬だからといって全員が変更するわけではなく、現在の治療状況を踏まえて医師が判断します。
用法・用量
1日1回、1滴を点眼します。点眼回数が少ないことで、毎日の治療を継続しやすくなることが期待されます。
プロスタグランジン関連薬との併用
臨床試験(J-ROCKET-2)では、ラタノプロスト(プロスタグランジン関連薬)単剤で眼圧下降が不十分な患者様にロープレッサを追加した場合、有意な眼圧低下効果が確認されています。

⚠️ 副作用について

ロープレッサで最も多くみられる副作用は結膜充血(目の充血)で、約50%の頻度で現れると報告されています。グラナテックと同様の傾向がありますが、点眼を中止することで軽快することが多いとされています。

  • 結膜充血(最も多い):約50%に発現。目が赤くなります
  • 角膜浮腫・渦巻き角膜:稀に現れることがありますが、点眼中止で改善するとされています
  • 眼刺激感・かすみ:点眼直後に生じる場合があります
⚠️ 充血は本剤の薬理作用による影響が大きく、多くの方に現れる可能性があります。使用中に強い充血・見え方の変化・眼痛などが現れた場合は、自己判断で中止せず医師にご相談ください。

❓ よくあるご質問

Q. ロープレッサは全員に使える薬ですか?
きしもと眼科キャラクター
A. いいえ、適応は「他の緑内障治療薬で効果が不十分、または使用できない場合」に限られています。現在の点眼薬で眼圧がコントロールできている方が全員変更する必要はありません。患者様一人ひとりの眼圧・治療歴・副作用歴などをもとに医師が判断します。
Q. グラナテックを使っている場合、ロープレッサに変更できますか?
きしもと眼科キャラクター
A. グラナテックとロープレッサは同じROCK阻害薬の仲間ですが、ロープレッサは1日1回かつ房水産生抑制の追加効果があります。グラナテックを使用中の方で変更を希望される場合や、効果が不十分な場合はご相談ください。
Q. 充血が心配ですが、使い続けられますか?
きしもと眼科キャラクター
A. 充血は本薬剤の特徴的な副作用で、約半数の方に現れます。点眼を中止することで軽快することがほとんどですが、充血が気になる場合は医師にご相談ください。充血の程度や眼圧下降効果とのバランスを見ながら継続するかを判断します。
Q. プロスタグランジン関連薬と一緒に使えますか?
きしもと眼科キャラクター
A. はい、臨床試験でプロスタグランジン関連薬(ラタノプロスト)との併用で有意な眼圧低下効果が確認されています。現在プロスタグランジン関連薬を使用中で眼圧が十分に下がっていない場合に、追加薬として検討できる選択肢のひとつです。

✉️ 院長からひとこと

きしもと眼科 院長 岸本隼人

緑内障の点眼薬は非常に種類が多く、患者様によって合う・合わないがあります。ロープレッサは1日1回という利便性と、2つの作用機序による眼圧下降効果が特徴の新薬です。ただし充血が多くの方に現れることも事実であり、全員に適しているわけではありません。現在使用中の点眼薬では眼圧が十分に下がらない方、点眼回数を減らしたい方など、気になることがあればお気軽にご相談ください。神戸市東灘区・魚崎エリアで緑内障治療をされている方も、当院でご一緒に最適な治療を考えていきましょう。

本記事は患者様への情報提供を目的としたものです。治療の適応については個人差があります。診察・検査のうえ医師の判断のもとで治療方針を決定いたします。

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