オルソケラトロジーはどんな子に向く?治療の流れとよくある質問

👓 子どもの近視が気になる保護者の方へ

オルソケラトロジーはどんな子に向く?治療の流れとよくある質問

神戸市東灘区 きしもと眼科 院長 岸本隼人

「子どもの近視が進んできた」「スポーツのときは裸眼で過ごせたらいいのに」――そのようなご相談で、オルソケラトロジーに関心を持たれる保護者の方が増えています。

オルソケラトロジーは、就寝中に専用のハードコンタクトレンズを装用し、日中の見え方を整える方法です。すべてのお子さまに同じように向くわけではないため、目の状態と生活スタイルを確認したうえで、安全に続けられるかを判断します。

目次

👦 オルソケラトロジーはどんな子に向く?

近視・乱視の度数、角膜の形状、目の表面の状態を検査したうえで適応を判断します。ご本人とご家族が毎日のケアと定期検査を続けられることも大切です。

🏃 スポーツを頑張っている子

日中に眼鏡を外して活動したい場合、生活スタイルに合うことがあります。

🧼 ケアを続けられる子・ご家族

レンズの洗浄・消毒、装用時間の管理、定期検査を継続できることが必要です。

👁 適応範囲にある子

近視・乱視の度数、角膜の状態などを検査し、医師が可否を判断します。

強いドライアイ、角膜・結膜の炎症がある場合、レンズの取り扱いや衛生管理を継続することが難しい場合などは、向かないことがあります。

🔍 オルソケラトロジーの仕組み

就寝前に酸素を通しやすい特殊なハードコンタクトレンズを装用し、寝ている間に角膜の形状を一時的に変化させます。朝にレンズを外した後、日中は裸眼で見えやすく過ごせることを目指します。

オルソケラトロジーの夜間装用から日中の見え方までのイメージ
就寝中にレンズを装用し、朝に外して日中を過ごします。効果の出方や持続時間には個人差があります。
💡 レーシックのような手術ではありません。装用を中止すると角膜の形状は徐々に元に戻るため、継続的な装用と定期検査が大切です。

🗓 治療開始から定期検査までの流れ

① 初診・ご相談
近視の状態、普段の生活、スポーツ、レンズのケアを行える環境などを伺います。
② 適応検査
視力・屈折・角膜の形状・涙の状態などを確認し、安全に開始できるかを判断します。
③ レンズの選定・取り扱い練習
目の形に合わせたレンズを選び、着脱、洗浄、消毒、保管方法を練習します。保護者の方にも一緒に確認していただきます。
④ 装用開始・定期検査
開始直後は見え方や角膜の状態をこまめに確認します。その後も定期検査で、目の健康、レンズの状態、近視の進行を確認します。

📊 近視進行抑制の研究データと点眼併用

子どもの近視では、眼球の前後の長さである眼軸長が伸びることが重要です。オルソケラトロジーには、眼軸長の伸びを抑える可能性を示す研究報告があります。

研究で示されている数値の例
  • 2023年の統合解析(7試験・655眼)では、対照群と比べて眼軸長の伸びが12か月で平均0.16mm、24か月で平均0.28mm少ない結果でした。
  • 2025年の統合解析(74試験・12,154人)では、1年時点で眼軸長の伸びが平均0.18mm少ないと報告されています。
⚠️ これらは集団としての平均値であり、すべてのお子さまに同じ効果が出るわけではありません。近視の進行を完全に止める治療ではないため、定期的に目の状態を確認します。

💧 リジュセア®ミニ点眼液との併用を検討することがあります

オルソケラトロジーを行っていても近視の進行が速い場合などには、より進行を抑えることを目指して、リジュセア®ミニ点眼液0.025%の併用を検討することがあります。ただし、すべてのお子さまに必要な方法ではありません。眼軸長や近視の変化、まぶしさなどの副作用、ご家庭で無理なく続けられるかを確認し、診察・検査のうえで医師が判断します。自己判断で点眼を追加したり、装用・点眼の方法を変えたりしないでください。

❓ よくあるご質問

Q. 何歳から始められますか?
A. 年齢だけで一律に決めるものではありません。目の状態に加え、本人と保護者の方がレンズの着脱・ケア・定期検査を続けられるかを含めて判断します。まずは適応検査でご相談ください。
Q. リジュセア®ミニとの併用は誰でもできますか?
A. 併用の必要性や適応は、お子さまの近視の進み方と目の状態によって異なります。定期検査で効果と副作用を確認しながら判断します。
Q. 痛みや充血が出たらどうすればよいですか?
A. レンズを外して、早めに眼科へご相談ください。強い痛み、充血、見えにくさ、目やにの増加がある場合は、装用を続けないでください。

✉️ 院長からひとこと

きしもと眼科 院長 岸本隼人

オルソケラトロジーは、日中の見え方と近視管理の両方を考える際の選択肢の一つです。必要に応じて点眼治療の併用も検討しながら、お子さまに合う方法を一緒に考えます。

オルソケラトロジーをご検討の方へ

適応検査で、近視・乱視の度数、角膜の状態、生活スタイルを確認します。気になる方はお気軽にご相談ください。

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📚 参考文献・資料

  • Tang K, et al. Orthokeratology for Slowing Myopia Progression in Children: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Eye & Contact Lens. 2023.
  • リジュセア®ミニ点眼液0.025% 電子添文(PMDA)
  • 日本コンタクトレンズ学会 オルソケラトロジーガイドライン(第2版)

本記事は患者様への情報提供を目的としたものです。治療の適応、効果、安全性には個人差があります。診察・検査のうえ、医師の判断のもとで治療方針を決定いたします。

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