多焦点眼内レンズの選び方について

👁 多焦点眼内レンズの選び方

「レンズがたくさんあってどれを選べばいいかわからない」
白内障手術で後悔しないためのレンズの選び方

きしもと眼科 院長 岸本隼人

こんにちは、きしもと眼科の院長・岸本隼人です。

白内障手術を検討されている患者様から「レンズの種類が多くてどれを選べばよいかわからない」というご相談をよくいただきます。眼内レンズ選びは一生に一度の大切な選択です。今回は当院で取り扱っている多焦点眼内レンズを中心に、選び方のポイントをわかりやすくご説明します。

2種類
単焦点・多焦点
レンズの大分類
5種類
当院の多焦点
レンズラインナップ
一生に一度
だからこそ
納得して選ぶことが大切

🔍 まず知っておくべきこと

眼内レンズには大きく分けて「単焦点レンズ」「多焦点レンズ」の2種類があります。それぞれの特徴を正しく理解したうえで選択することが重要です。

単焦点レンズ(保険適用)

ピントが1か所のみ。費用を抑えたい方向き。遠くに合わせると手元には眼鏡が必要になります。シンプルで安定した見え方が特徴です。

多焦点レンズ(選定療養・自費)

複数の距離にピントが合い、眼鏡への依存を大幅に減らせます。タイプによって得意な距離や特性が異なります。

💡 選定療養とは?
多焦点レンズを選んだ場合、手術自体の基本費用は保険が適用されます。レンズ差額のみが自己負担となる制度です。

📋 当院で取り扱っている多焦点眼内レンズ

レンズ名 メーカー 種類 通常(片眼) 乱視用(片眼)
パンオプティクス プロ アルコン 3焦点 350,000円 400,000円
パンオプティクス アルコン 3焦点 330,000円 380,000円
テクニス オデッセイ J&J 連続焦点 300,000円 350,000円
クラレオン ビビティ アルコン EDOF 330,000円 380,000円
テクニス ピュアシー J&J EDOF 300,000円 350,000円

※ 両眼の場合は×2。上記は選定療養のレンズ差額のみ(別途保険診療分の手術費用がかかります)。税込。

👁 各レンズの特徴

① 3焦点レンズ(パンオプティクス プロ・パンオプティクス)

遠方・中間(約60cm)・近方(約40cm)の3か所にピントが合います。遠くの景色・パソコン作業・読書・スマートフォンまで幅広くカバーでき、眼鏡への依存度を大幅に下げることができます。

パンオプティクス プロは従来モデルから光ロスを約半分(12%→6%)に改善した最新版。コントラスト感度が向上し、夜間の見え方も改善されています。

向いている方:遠くも手元もできるだけ眼鏡なしで過ごしたい方、パソコン作業が多い方、見え方の質にこだわりたい方

② 連続焦点レンズ(テクニス オデッセイ)

遠方から手元まで連続的にピントが合うレンズです。3焦点に近い見え方でありながら、焦点の切り替わりが滑らかで自然な見え方が特徴です。ハロー・グレアが比較的少なく、夜間の運転が多い方にも選ばれています。

向いている方:夜間の運転が多い方、自然な見え方を重視する方、ハロー・グレアが気になる方

③ EDOF型(焦点深度拡張型)レンズ(クラレオン ビビティ・テクニス ピュアシー)

遠方から中間距離を中心にカバーするレンズです。ハロー・グレア(夜間の光のにじみ)が単焦点レンズと同程度に少なく、光の見え方が最もクリアです。手元には軽い老眼鏡が必要になる場合があります。

クラレオン ビビティはハロー・グレアの少なさを最優先にしたい方向け。テクニス ピュアシーは最も自然でクリアな見え方が特徴です。

向いている方:ハロー・グレアが心配な方、夜間の光のにじみを最小限にしたい方、遠方〜中間距離をよく使う方

📊 あなたに合うレンズは? 選び方チャート

ライフスタイルや優先したいことに合わせて選んでみましょう。

費用を抑えたい / 見え方のシンプルさを重視したい 単焦点レンズ
(保険適用)
遠・中・近すべてバランスよく眼鏡なしで過ごしたい 3焦点レンズ
パンオプティクス プロ
パンオプティクス
テクニス オデッセイ
夜間のハロー・グレアが気になる / 自然な見え方重視 EDOF型
(焦点深度拡張型)
ビビティ・ピュアシー

⚠️ 乱視がある方へ

乱視がある場合は通常タイプでは十分な視力が得られないことがあります。各レンズには乱視矯正タイプ(トーリック)が用意されていますので、術前検査で乱視の状態を確認したうえでご提案します。

📝 多焦点レンズを選ぶ際の注意点

  • ハロー・グレア(夜間の光のにじみ・まぶしさ)はゼロにはなりません。個人差がありますが、多くの方は数か月で慣れます
  • 網膜や視神経に病気がある方では十分な効果が出ない場合があります
  • すべての方に多焦点レンズが適応できるわけではありません。術前検査で目の状態を確認します
  • 一度挿入したレンズの交換は困難です。十分に納得してから決めましょう
⚠️ 多焦点レンズは「完全に眼鏡不要になる」ものではなく、「眼鏡への依存を大幅に減らす」レンズです。細かな手元作業などでは老眼鏡が必要になる場合があります。

❓ よくあるご質問

Q. どのレンズが一番いいですか?
A. 「一番いいレンズ」はお一人おひとりのライフスタイルや目の状態によって異なります。遠くをよく見る方・パソコン作業が多い方・夜間の運転が多い方など、生活スタイルに合わせて一緒に考えていきます。
Q. 両眼同じレンズにする必要がありますか?
A. 基本的には両眼同じレンズをお勧めしていますが、目の状態や希望に応じて異なるレンズを選ぶこともあります。詳しくは診察時にご相談ください。
Q. 高いレンズほど良く見えますか?
A. 必ずしもそうではありません。価格よりも「自分のライフスタイルに合っているか」が重要です。夜間運転が多い方にはハロー・グレアの少ないEDOF型が向いていることがありますし、とにかく眼鏡なしで過ごしたい方には3焦点が向いていることもあります。
Q. 後から変更できますか?
A. 挿入した眼内レンズの交換は技術的に難しく、基本的には一度決めたら変更できないと考えてください。手術前に十分な説明を行い、納得していただいてから手術日を決定しています。

✉️ 院長からひとこと

きしもと眼科 院長 岸本隼人

眼内レンズ選びは一生に一度の大切な選択です。「どれが一番いいか教えてほしい」とよく聞かれますが、最適なレンズはお一人おひとりの目の状態・生活スタイル・優先したいことによって違います。当院では手術の説明時に丁寧にレンズの特徴をご説明し、患者様が十分に納得されたうえで選んでいただくことを大切にしています。「どれにすればいいか迷っている」という方も、まずはお気軽にご相談ください。一緒に考えていきましょう。

本記事は患者様への情報提供を目的としたものです。治療の適応については個人差があります。診察・検査のうえ医師の判断のもとで治療方針を決定いたします。価格・診療内容は予告なく変更する場合があります。

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