網膜剥離について(緊急受診を要する病気)

👁 網膜剥離について

網膜剥離とは?症状・原因・治療法を眼科専門医が解説

神戸市東灘区 きしもと眼科 院長 岸本隼人

こんにちは、神戸市東灘区のきしもと眼科・院長の岸本隼人です。

「目の前に黒い点や糸くずのようなものが急に増えた」「視界の端でピカッと光るものを感じる」「視野の一部が暗くて欠けて見える」――このような症状がある方は、網膜剥離(もうまくはくり)の可能性があります。網膜剥離は放置すると失明に至ることもある緊急性の高い病気です。今回は網膜剥離の症状・原因・治療法について、わかりやすく解説します。

🚨 飛蚊症の急な増加・光視症・視野の欠けを感じた方は、できるだけ早く眼科を受診してください。網膜剥離は時間が経つほど視力の予後が悪くなる病気です。「様子を見よう」と先延ばしにせず、早めのご受診をおすすめします。
緊急性が高い
放置すると
失明の危険性
強度近視
大きなリスク
因子のひとつ
早期発見
で視力予後が
大きく変わる

🔍 網膜剥離とはどんな病気?

網膜は眼球の内側を覆う薄い膜で、カメラのフィルムのような役割をしています。目に入ってきた光を電気信号に変換し、視神経を通じて脳に伝える重要な組織です。網膜剥離とは、この網膜が眼球の壁から剥がれてしまう病気です。網膜が剥がれた部分は機能が低下するため、視力低下や視野の欠損が起こります。

網膜剥離は徐々に進行する病気で、放置すると剥離の範囲が拡大し、最終的には網膜全体が剥がれて失明に至ることもあります。早期発見・早期治療が非常に重要です。

📋 網膜剥離の種類

網膜剥離にはいくつかの種類があり、原因によって治療方針が異なります。

裂孔原性網膜剥離最も多い

網膜に穴(裂孔)が開き、そこから液化した硝子体が網膜の下に入り込んで剥がれるタイプ。一般的に「網膜剥離」というとこのタイプを指します。

牽引性網膜剥離

糖尿病網膜症などにより網膜表面にできた線維組織が網膜を引っ張ることで剥がれるタイプ。

滲出性網膜剥離

ぶどう膜炎や腫瘍などにより、血液中の水分が網膜の下に滲み出して剥がれるタイプ。

⚠️ 網膜剥離の症状(こんな症状はありませんか?)

網膜剥離は進行段階によって異なる症状が現れます。

飛蚊症(ひぶんしょう)
視界の中に黒い点・糸くず・蚊のようなものが飛んで見える症状です。以前から少しある程度なら心配ないことが多いですが、急に増えた場合は要注意です。
光視症(こうししょう)
光が当たっていないのに、視界の端でピカピカ・チカチカと光が見える症状です。網膜が引っ張られる刺激によって生じます。特に暗い場所で頻繁に感じる場合は注意が必要です。
視野欠損(しやけっそん)
視野の一部が暗く欠けて見える、カーテンのようなものがかかって見える症状です。網膜剥離がかなり進行しているサインで、すぐに受診が必要です。
視力低下
剥離が黄斑部(網膜の中心)に達すると急激な視力低下が起こります。この状態になると視力の回復が難しくなることがあるため、視野欠損の段階で受診することが重要です。

🔎 網膜剥離になりやすい人(リスク因子)

  • 強度近視(−6D以上)の方:眼軸が長く網膜が薄くなりやすいため、リスクが大幅に高まります
  • 40〜60代の方:加齢により硝子体が変化しやすい年代です
  • 目を強くぶつけた・ケガをした方:外傷性の網膜剥離のリスクがあります
  • 白内障手術を受けたことがある方:手術後にリスクがやや高まることがあります
  • ご家族に網膜剥離の方がいる:遺伝的な要因が関係することがあります
  • 網膜裂孔・網膜変性を指摘されたことがある方
💡 強度近視の方は眼軸が伸びて網膜が薄くなりやすく、網膜剥離のリスクが大幅に高まります。お子様の近視が強い場合、進行を抑制する治療を検討することも将来の網膜剥離リスクを下げることにつながります。

💊 網膜剥離の治療法

網膜剥離の治療は、進行度や原因によって異なります。基本的に手術が必要な病気ですが、早期段階であればレーザー治療で対応できることもあります。

① レーザー治療(網膜光凝固術)
網膜剥離になる前の段階(網膜裂孔・網膜変性のみ)で発見できた場合に行います。レーザーで裂孔の周囲を凝固させ、剥離の進行を防ぎます。外来で日帰りで受けられます。
② 強膜バックリング手術
眼球の外側からシリコンスポンジなどを縛り付けて、剥がれた網膜を眼球の壁に近づける手術です。比較的軽度の網膜剥離に用いられます。
③ 硝子体手術
眼球の中の硝子体を取り除き、ガスやシリコンオイルを注入して網膜を内側から押さえる手術です。進行した網膜剥離や複雑な症例で行われます。
⚠️ 網膜剥離の手術は専門的な設備が必要なため、当院で診断した場合は適切な専門医療機関へ速やかにご紹介いたします。

⏰ 早期発見・早期治療が重要な理由

網膜剥離は、黄斑(網膜の中心部)が剥がれる前に治療できるかどうかで視力の予後が大きく変わります。

発見のタイミング 視力予後
黄斑剥離前 手術によって視力の回復・維持が期待できる可能性が高い
黄斑剥離後 手術が成功しても視力が完全には戻らないことが多い

※ 個人差があり、上記は一般的な傾向です。詳しくは診察時にご説明します。

❓ よくあるご質問

Q. 飛蚊症はいつも心配しなくてはいけませんか?
A. 飛蚊症は加齢による生理的なものも多く、必ずしも危険なものではありません。ただし、急に増えた場合・光視症を伴う場合・視野の一部が欠けて見える場合は網膜剥離のサインである可能性があるため、早めに眼科で眼底検査を受けることをおすすめします。
Q. 網膜剥離は予防できますか?
A. 完全に予防することは難しいですが、強度近視の方は定期的な眼底検査を受けることで、網膜裂孔・網膜変性の段階で早期発見できる可能性があります。また、目への強い衝撃を避けることも大切です。
Q. 片方の目が網膜剥離になったら、もう片方も心配ですか?
A. 片眼に網膜剥離の既往がある方は、もう片方の目も網膜剥離が起こりやすい傾向があるといわれています。両眼とも定期的に眼底検査を受けることをおすすめします。
Q. 手術すれば視力は完全に戻りますか?
A. 黄斑剥離が起こる前に手術ができれば、視力の回復・維持が期待できる可能性が高いです。ただし黄斑剥離後の手術では、網膜は元の位置に戻っても視力が完全には戻らないことがあります。早期発見・早期治療が何より重要です。

✉️ 院長からひとこと

きしもと眼科 院長 岸本隼人

網膜剥離は「様子を見ているうちに進行してしまう」ことが多い病気です。飛蚊症や光視症は誰にでも起こりうる症状ですが、急に増えたり視野が欠けて見えたりする場合は、決して放置せずすぐにご相談ください。当院では眼底検査により早期発見に努め、手術が必要な場合は速やかに専門の医療機関へご紹介いたします。特に強度近視の方は、定期的な眼底検査を習慣にしていただくことをおすすめします。神戸市東灘区・魚崎エリアで目の症状が気になる方は、どうぞお早めに当院へご相談ください。

本記事は患者様への情報提供を目的としたものです。治療の適応については個人差があります。診察・検査のうえ医師の判断のもとで治療方針を決定いたします。網膜剥離の手術が必要な場合は専門医療機関へご紹介いたします。

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