手元が見えにくくなってきた方へ

老眼に、
点眼という選択肢。

サンピロ点眼液1%による、老眼の点眼治療(自由診療)

スマートフォンや本の文字が見えにくいとき、眼鏡をかけずに手元の見え方を補いたい方へ。目の状態を検査し、点眼治療が適しているかを診察で確認します。

初回検査料・診察料3,000円
2回目以降診察料1,500円
点眼液1本(約30日分)3,000円

表示はすべて税込価格です。自由診療(保険適用外)。点眼液は、処方する場合の費用です。

スマートフォンを見る50代の女性

老眼(老視)とは

老眼は、加齢によって目のピント合わせの力(調節力)が落ち、近くのものが見えにくくなる状態です。病気ではなく、誰にでも起こる自然な変化です。

なぜ起こるのか

目は、カメラのレンズにあたる「水晶体」の厚みを変えてピントを合わせています。水晶体は年齢とともに弾力を失って硬くなり、厚みを変えにくくなるため、近くにピントが合いにくくなります。

始まる時期と進み方

40代前半から、近くが見えにくいと感じる方が増えます。調節力は10代から少しずつ低下し、症状は60代半ばごろまで進んだあと落ち着くとされています。個人差があります。

近視・遠視との違い

近視・遠視・乱視は、目の形やレンズの強さによる屈折の異常です。老眼はピントを合わせる力の低下で、これらとは別の現象です。近視の方でも老眼になります。

若い目(左)と加齢した目(右)の水晶体の厚みの違いを示すイメージ
左:若い目(水晶体が厚くなり、ピントを合わせやすい)右:加齢した目(水晶体が硬く、厚みが変わりにくい)

こんなことはありませんか

次のような変化は、老眼のサインかもしれません。

文字を遠ざけて見る

本やスマートフォンを、無意識に遠ざけて見ている。

暗いと読みにくい

薄暗い場所や夕方になると、手元の文字が見えにくい。

ピントが合うのに時間がかかる

近くを見たあと遠くを見ると、ピントが合うまで時間がかかる。

老眼の主な対処法

老眼への対処法はいくつかあります。それぞれに長所と短所があるため、生活スタイルやお仕事に合わせてご相談ください。

老眼鏡・遠近両用メガネもっとも一般的な方法です。見たい距離に合わせて作ります。
コンタクトレンズ老眼に対応した遠近両用タイプなどがあります。
点眼治療(自由診療)瞳孔を小さくして、手元の見え方を一時的に補う方法です。眼鏡をかけたくない場面での選択肢の一つです。
手術
(多焦点眼内レンズ)
白内障手術の際に、遠くから手元までピントが合いやすい多焦点眼内レンズを選ぶ方法です。眼鏡に頼る場面を減らせる可能性があります。多焦点眼内レンズについて詳しく見る
白内障が始まっている方には、多焦点眼内レンズもおすすめです

老眼の年代は、白内障が始まる年代でもあります。白内障手術を受ける場合は、多焦点眼内レンズを選ぶことで、手元の見え方と遠くの見え方の両方を、眼鏡に頼らず補える可能性があります。点眼は一時的に見え方を補う方法ですが、眼内レンズは一度の手術で長く効果が続きます。ただし、夜間に光がにじんで見える(ハロー・グレア)、見え方のコントラストが下がるなどの特徴があり、すべての方に向くわけではありません。目の状態や生活に合わせて、診察でご相談ください。
多焦点眼内レンズのページを見る →

老眼の点眼治療とは

点眼前(左)と点眼後(右)の瞳孔の大きさと、光の入り方の違いを示すイメージ図
左:点眼前(瞳孔が大きく、光が広く入る)右:点眼後(瞳孔が小さくなり、入る光が絞られて、ピントの合う範囲が広がる)※イメージ図です。見え方の変化には個人差があります。

ピロカルピン(サンピロ点眼液1%)を点眼すると、瞳孔が小さくなります。カメラの絞りを絞ったようにピントの合う範囲が広がり(ピンホール効果)、手元の文字が見えやすくなることがあります。

  • 老眼そのものを治す治療ではありません
  • 効果は一時的で、数時間程度とされています
  • 効果の現れ方や持続には、個人差があります

治療の内容・回数・期間

診察・検査と院内での試し点眼のうえ、副作用がなく、見え方の改善を確認できた場合に、サンピロ点眼液1%を処方します。使い方の目安は次のとおりです。

回数

両眼に、1日1回点眼します。回数を自己判断で増やさないでください。

期間

1本で約30日分です。続けるかどうかは、目の状態を確認しながら相談します。

使用期限

開封後30日が使用期限です。期限を過ぎた液は使わず、処分してください。

初回は、院内で実際に点眼して試していただきます

医院で実際に点眼し、副作用がなく、見え方の改善を確認できた場合に、点眼液を処方します。その場で点眼液を買っていただくことはありません。

夜間や暗い場所では、点眼すると見えにくくなることがあります

点眼すると瞳孔が小さくなるため、夜間や暗い場所では、かえって見えにくく感じることがあります。夜間の運転や、暗い場所での作業・歩行は特にご注意ください。点眼のタイミングについては、診察時にご相談ください。

治療前に、広角眼底写真を撮影します

ピロカルピンの点眼では、まれに網膜剥離などが報告されているため、治療を始める前に、広角眼底写真で網膜剥離や網膜裂孔などがないかを確認します。ただし、写真ですべての網膜の異常が分かるわけではありません。異常が見つかった場合は、点眼をお勧めしないことがあります。

点眼のポイント

洗面所で点眼する男性のイメージ

使い方は、診察時に医師・スタッフがご説明します。一般的な点眼のポイントは次のとおりです。

  • 点眼は両眼に、1日1回です
  • 点眼後はまぶたを閉じ、目頭を軽く押さえます
  • あふれた液は、清潔なガーゼやティッシュでふきます
  • 他の点眼薬を使う場合は、5分以上あけます
  • 点眼の回数は、自己判断で増やさないでください
  • 使用期限は開封後30日です。過ぎた液は使わないでください

診察から治療まで

受付から院内での点眼までの流れのイメージ
受付・問診

見えにくさの状況や、持病、使用中のお薬を伺います。

検査

視力などの検査のほか、広角眼底写真で網膜剥離や網膜裂孔などがないかを確認します。

診察・説明

点眼治療が適しているかを判断し、効果とリスクをご説明します。

院内で点眼・処方

初回は医院で実際に点眼して試していただきます。副作用がなく、見え方の改善を確認できた場合に、点眼液を処方します。

海外での状況と臨床試験のデータ

ピロカルピンを老眼に使う点眼薬は、米国ではすでに承認されています。以下は海外で承認された製剤の試験結果です。当院で使用するサンピロ点眼液1%そのものの結果ではなく、濃度や添加物も異なります。同じ効果を約束するものではありません。

試験の対象は、おおむね40〜55歳の方です。それ以外の年齢での有効性は、十分に確認されていません。

Vuity(ピロカルピン1.25%)

2021年10月に米国FDAが承認した、老眼用の点眼薬です。承認の根拠は、第3相のランダム化比較試験2件(GEMINI 1・2)です。

Qlosi(ピロカルピン0.4%)

2023年に、成人の老眼の治療薬としてFDAが承認しました。第3相試験2件(NEAR-1・2)で600人以上が参加しています。

近見視力が3段階以上改善した人の割合(Vuity、30日後)

※サンピロ1%の結果ではなく、米国で承認されたVuity(1.25%)の試験結果です。
40〜55歳の老眼の方、2試験で計750人。点眼したグループとプラセボ(有効成分のない点眼)のグループを比較。

GEMINI 1
点眼グループ
31%
プラセボ
8%
GEMINI 2
点眼グループ
26%
プラセボ
11%

※グラフの横軸は0〜40%です。「3段階以上」は視力表で3行以上よく見えるようになった状態を指します。複数の試験をまとめた解析では、約3分の1の方が3段階以上、約3分の2の方が2段階以上の改善を示したと報告されています。

効果が現れる時間と続く時間

  • Vuityの試験では、点眼後15分ほどで改善がみられ、約6時間続いたと報告されています
  • Qlosiの試験では、点眼後約20分で効果が現れ、最大8時間続くと報告されています
  • 遠くの見え方は、平均では低下しなかったと報告されています

データの限界

  • 試験期間は短く、長期の効果と安全性はまだ十分に分かっていません
  • 対象は主に40〜55歳で、年齢や屈折度の範囲が限られています
  • 日本人を対象とした、サンピロ1%での大規模な試験結果はありません

副作用とリスク

ピロカルピンの点眼では、次のような副作用が報告されています。使用前に、必ずご確認ください。

比較的よくみられるもの
  • 頭痛(Vuityの試験で15%)
  • 結膜の充血(5%)、かすみ目(5%)
  • 眼の痛み・違和感
  • 夜間・暗い場所で見えにくい(瞳孔が小さくなるため)

複数の試験をまとめた解析でも、頭痛、かすみ、眼の痛み、瞳孔の大きさの変化がよくみられる反応として報告されています。多くは軽い症状でした。

まれだが重要なもの
  • 網膜裂孔・網膜剥離
  • 硝子体黄斑牽引

試験の中では重い副作用はありませんでしたが、使用開始後の網膜剥離などが症例報告されています。網膜の病気の既往がある方は、リスクが高いとされています。米国の添付文書にも注意が記載されています。

次のような症状があれば、使用を中止してすぐにご連絡ください
  • 光が走る(光視症)、黒い影や虫のようなものが飛ぶ(飛蚊症の増加)
  • 視野が欠ける、カーテンがかかったように見える
  • 強い眼の痛み、見えにくさが続く

お受けいただけない場合・慎重に判断する場合

次の方は、点眼治療をお受けいただけない、または慎重な判断が必要です。診察で医師が判断します。

お受けいただけない方

虹彩炎(眼の炎症)がある方。点眼により、炎症が悪化するおそれがあるためです。

網膜のリスクがある方

網膜剥離の既往、強度近視、網膜の変性がある方は、慎重に判断します。治療前の広角眼底写真で異常が見つかった場合も、お勧めできないことがあります。

持病・その他

気管支喘息などの持病がある方、妊娠中・授乳中の方、白内障や眼内レンズ挿入後の方は、診察で慎重に判断します。また、55歳を超える方や白内障が進んでいる方は、効果が限られることがあります。その他、医師が不適切と判断した場合も含みます。

費用(自由診療)

保険適用外の自由診療です。健康保険は使えません。

ケース内訳合計(税込)
初回試して、処方しない場合
検査料・診察料 3,000円
3,000円
初回試して、処方した場合
検査料・診察料 3,000円
+ サンピロ点眼液1% 3,000円
6,000円
2回目以降診察と点眼液
診察料 1,500円
+ サンピロ点眼液1% 3,000円
4,500円
  • 表示はすべて税込価格です。自由診療のため、健康保険は使えません。
  • 検査料・診察料には、広角眼底写真などの検査と、初回の院内での試し点眼が含まれます。
  • サンピロ点眼液1%は、1本(約30日分)3,000円です。初回に処方しなかった場合は、かかりません。

ご理解いただきたいこと

適応外使用について

サンピロ点眼液1%は、日本では緑内障の治療などを目的として承認された医薬品です。老眼への使用は、当院で使用するサンピロ点眼液1%の承認された用法ではなく、医師の判断による適応外使用(自由診療)です。

当院で使用するサンピロ点眼液1%は、日本で承認されている医療用医薬品で、国内の医薬品卸売業者から仕入れています。

日本では、老眼の治療薬として承認された、ピロカルピンを含む点眼薬はありません(2026年10月時点)。海外での承認状況と安全性の情報は、上の「海外での状況と臨床試験のデータ」と「副作用とリスク」をご覧ください。

重大な副作用が起こった場合、医薬品副作用被害救済制度の対象とならない可能性があります。

日常生活での注意(特に夜間)

点眼後は、瞳孔が小さくなり、夜間や暗い場所で見えにくくなったり、ピントが合いにくくなったりすることがあります。症状が回復するまで、自動車の運転や機械の操作は控えてください。夜間の運転、暗い場所での作業・歩行にも十分ご注意ください。夜間の運転が多い方は、事前に必ずお伝えください。

老眼と間違えやすい病気

手元が見えにくい原因が、老眼だけとは限りません。白内障、緑内障、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症などでも、見えにくさが出ることがあります。急に見えにくくなった、片方の目だけ見えにくい、視野が欠けるといった場合は、早めに受診してください。

日中の街角をゆっくり歩く女性のイメージ

よくあるご質問

効果はどのくらい続きますか?

数時間程度が目安とされていますが、個人差があります。海外の製剤では、約6〜8時間続いたという報告があります。

点眼すると眼鏡は不要になりますか?

老眼が治るわけではないため、場面によっては眼鏡が必要です。手元の見え方を一時的に補う治療とお考えください。

夜でも見やすくなりますか?

いいえ。点眼すると瞳孔が小さくなるため、夜間や暗い場所では、かえって見えにくくなることがあります。夜間の運転が多い方や、暗い場所での作業が多い方は、診察時にお伝えください。

初回に、点眼液を必ず購入するのですか?

いいえ。初回は医院で実際に点眼して試していただき、副作用がなく、見え方の改善を確認できた場合にのみ、点眼液を処方します。処方に至らなかった場合は、検査料・診察料のみです。

毎日使えますか?

両眼に、1日1回の点眼です。自己判断で回数を増やさないでください。使い続けてよいかは、診察で目の状態を確認しながらご相談します。

どんな人が受けられますか?

老眼で手元が見えにくい方が対象です。網膜の病気や持病によっては、お受けいただけないことがあります。診察で判断します。

コンタクトレンズや他の点眼薬を使っていますが、相談できますか?

ご相談いただけます。診察時に、使用中のレンズや点眼薬、お薬についてお知らせください。

予約は必要ですか?

診療予約のうえ、ご来院ください。予約時に「老眼の点眼治療の相談」とお伝えください。

手元の見えにくさが気になる方へ

「年齢のせい」と思わず、まずは目の状態を確認しましょう。予約時に「老眼の点眼治療の相談」とお伝えください。

診療予約はこちら

お電話:078-431-1101
医療法人社団きしもと眼科
〒658-0083 神戸市東灘区魚崎中町1-9-11 YMビル魚崎中町3F
診療時間:9:00〜12:30/15:30〜18:30(火曜は9:00〜11:00)休診日:火曜午後・木曜午後・土曜午後・日曜・祝日

本ページは患者さまへの情報提供を目的としています。治療の適応および処方は、診察・検査のうえ医師が判断します。海外の試験結果は、当院で使用する薬剤の効果を保証するものではありません。

参考文献(8件)
  1. Waring GO 4th, et al. Safety and Efficacy of AGN-190584 in Individuals With Presbyopia: The GEMINI 1 Phase 3 Randomized Clinical Trial. JAMA Ophthalmol. 2022. PMC8895317/ClinicalTrials.gov NCT03804268・NCT03857542(GEMINI 2)
  2. U.S. Food and Drug Administration. VUITY(pilocarpine hydrochloride ophthalmic solution)1.25% 添付文書(Prescribing Information). FDA
  3. Singh M, et al. A Systematic Review and Meta-Analysis on the Efficacy and Safety of Topical Pilocarpine 1.25% in Presbyopia Treatment. J Curr Ophthalmol. 2024. DOAJ
  4. Short-Term Efficacy and Safety of Pilocarpine Ophthalmic Solution for Presbyopia: A Systematic Review and Meta-Analysis. Am J Ophthalmol. 2025. ScienceDirect
  5. American Academy of Ophthalmology. EyeWiki: Vuity. eyewiki.aao.org/Vuity/EyeNet: Topical Pilocarpine for Presbyopia. aao.org
  6. EyeWorld. 2022年12月号(Vuity使用後の網膜剥離の報告と専門家委員会の提言). EyeWorld
  7. Qlosi(pilocarpine 0.4%):米国FDA承認(2023年)。NEAR-1・NEAR-2試験. ClinicalTrials.gov NCT04599933・NCT04599972
  8. サンピロ点眼液 添付文書(国内). 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA). PMDA
YMビル魚崎中町の内科クリニック
YMビル魚崎中町の整形外科クリニック