加齢黄斑変性症と治療について

👁 加齢黄斑変性症について

「見たいところがぼやける」「ゆがんで見える」
それは加齢黄斑変性症のサインかもしれません

きしもと眼科 院長 岸本隼人

こんにちは、きしもと眼科の院長・岸本隼人です。

「最近、真ん中がぼやけて見える」「直線がゆがんで見える」「片目で見ると中心が暗い」――このような症状がある方は、加齢黄斑変性症の可能性があります。加齢黄斑変性症は、放置すると視力が急速に低下し、最悪の場合は失明につながる重篤な目の病気です。しかし、早期に発見して適切な治療を行うことで、視力の維持・改善が期待できます。

50歳以上
発症しやすい
年齢層
9割
日本人は
滲出型が多い
保険適用
抗VEGF療法は
保険診療

🔍 加齢黄斑変性症とはどんな病気?

網膜(目の奥のフィルムの役割をする部分)の中心部を「黄斑(おうはん)」といいます。黄斑は、ものを見るときに最も重要な部分で、色の識別や細かいものを見る機能を担っています。加齢黄斑変性症とは、この黄斑が加齢などの影響で傷んでしまい、視力が低下したり、ものがゆがんで見えたりする病気です。

滲出型(しんしゅつがた)日本人の約9割

網膜の下に異常な新生血管が生じ、出血や水分の漏れが起きるタイプ。進行が速く視力低下が急激に起こることがあります。抗VEGF療法が有効です。

萎縮型(いしゅくがた)

黄斑の細胞が徐々に萎縮していくタイプ。欧米人に多く日本人には比較的少ない。進行は緩やかですが、現時点では有効な治療法が限られています。

⚠️ こんな症状はありませんか?

  • 見たいところ(中心部)がぼやける・暗く見える
  • 直線がゆがんで波打って見える(変視症)
  • 文字の一部が欠けて読みにくい
  • 片方の目で見ると中心に暗い部分がある
  • 色の見え方がおかしく感じる
⚠️ 症状は片方の目から現れることが多く、もう片方の目で補ってしまうため気づきにくいことがあります。片目ずつ確認する習慣をつけましょう。

🔎 こんな方は注意が必要です

  • 50歳以上の方(加齢が最大のリスク因子)
  • 喫煙している方(喫煙は発症・進行リスクを大幅に高めます)
  • ご家族に加齢黄斑変性症の方がいる
  • 強い日光(紫外線)を長時間浴びることが多い方
  • 高血圧・動脈硬化・肥満のある方
  • 片眼がすでに加齢黄斑変性症と診断されている方

📋 自己チェック(アムスラーチャート)

以下の方法で定期的に自己チェックを行いましょう。片目ずつ行うことが大切です。

チェック方法
① 眼鏡・コンタクトをつけたまま、30cm程度離れた距離で格子状の表(アムスラーチャート)を見る
② 片目を手で覆い、もう片方の目で中心の点を見つめる
③ 格子がゆがんで見えたり、欠けて見えたりしないか確認する
④ 異常を感じたら早めに眼科を受診する

💉 当院での治療(抗VEGF療法)

当院では、滲出型加齢黄斑変性症に対して抗VEGF薬硝子体内注射を保険診療で行っています。

VEGFとは?

体内には脈絡膜新生血管の成長を活発化させるVEGF(血管内皮増殖因子)という物質があります。抗VEGF薬はこのVEGFの働きを抑える薬剤を眼内に注射することで、異常な新生血管の成長や血管からの水分漏れを抑制します。

当院で使用している抗VEGF薬

  • ルセンティス
  • アイリーア(2mg・8mg)
  • バビースモ

注射の効果は約2〜3か月間といわれており、定期的な再投与が必要になることがあります。

🏥 抗VEGF硝子体内注射の流れ

STEP 1 点眼麻酔・眼の消毒
感染症を防ぐため、注射は手術室で行います。点眼麻酔をした後、目の周囲を十分に消毒します。
STEP 2 注射(数秒)
白目の部分に薬を注射します。点眼麻酔をしているため痛みはほとんどありません。
STEP 3 帰宅
一定時間安静にしていただいた後、ご帰宅いただけます。
STEP 4 術後の点眼(約1週間)
注射後約1週間は、感染予防のため抗菌点眼薬を使用していただきます。

📋 抗VEGF療法の保険適用対象疾患

当院の抗VEGF療法は以下の疾患に保険適用で対応しています。

対象疾患 概要
加齢黄斑変性症 加齢による黄斑の変性。新生血管からの出血・浸出が原因
糖尿病黄斑浮腫 糖尿病網膜症により黄斑部が腫れ視力が低下する病気
網膜静脈閉塞症 網膜の静脈が詰まり、出血や浮腫を起こす病気
強度近視による脈絡膜新生血管 強度近視(−6D以上)に伴い発症する新生血管病変

🌿 予防・生活習慣で気をつけること

  • 禁煙:喫煙は加齢黄斑変性症の最大のリスク因子です
  • 紫外線対策:外出時はサングラスや帽子で目を紫外線から守りましょう
  • バランスのよい食事:抗酸化ビタミン(C・E)、亜鉛、ルテインを意識的に摂取する
  • 定期的な眼底検査:50歳を過ぎたら年1回の眼底検査をおすすめします
  • 血圧・血糖値の管理:高血圧・糖尿病のコントロールも大切です

❓ よくあるご質問

Q. 注射は痛いですか?
A. 点眼麻酔を使用するため、ほとんど痛みはありません。注射自体は数秒で終わります。圧迫感を感じる方はいらっしゃいますが、強い痛みはありません。
Q. 何回注射が必要ですか?
A. 病気の状態や薬の効き方によって異なります。効果は約2〜3か月持続しますが、定期的に経過を確認しながら追加注射が必要になる場合があります。長期的な管理が重要です。
Q. 治療で視力は回復しますか?
A. 早期発見・早期治療により、視力の維持・改善が期待できます。ただし、すでに失われた視神経細胞は回復しません。治療の目的は「これ以上悪化させないこと」が主となりますので、早めの受診が大切です。
Q. 注射後の日常生活に制限はありますか?
A. 注射後約1週間は抗菌点眼薬の使用が必要です。また、注射当日は激しい運動や水泳、目を触ることはお控えください。翌日の受診で問題がなければ通常の生活を送っていただけます。

✉️ 院長からひとこと

きしもと眼科 院長 岸本隼人

加齢黄斑変性症は、症状が片目から始まることが多く、もう片方の目が補ってしまうために気づきにくい病気です。「なんとなく見えにくい」「最近ゆがんで見える」と感じたら、年齢のせいと諦めずにぜひ早めにご相談ください。当院では抗VEGF療法を保険診療で行っており、多くの患者様の視力維持をサポートしています。定期的な眼底検査も大切ですので、50歳を過ぎた方はお気軽に検診にお越しください。当院では超広角眼底カメラ(EIDON)を導入しており、より精密な眼底の状態確認が可能です。

本記事は患者様への情報提供を目的としたものです。治療の適応については個人差があります。診察・検査のうえ医師の判断のもとで治療方針を決定いたします。価格・診療内容は予告なく変更する場合があります。

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