近視とは何かについて

👁 近視について知ろう

「遠くがぼやけて見える」
それは近視のサイン。近視は「ただ見えにくい」だけではありません

きしもと眼科 院長 岸本隼人

こんにちは、きしもと眼科の院長・岸本隼人です。

近視は日本の小学生の約77%にみられ、今や国民的な目の問題ともいえます。「遠くが見えにくいだけだから大丈夫」と思われがちですが、近視は単なる「見えにくさ」ではなく、放置すると将来の目の健康に深刻な影響を及ぼすことがわかっています。今回は近視とはどんな状態なのか、なぜ進行するのか、そして進行を抑えることがなぜ大切かをわかりやすくご説明します。

77%
日本の小学生の
近視有病率
40倍
強度近視は網膜剥離の
リスクが最大40倍に
10代
近視が最も進行しやすい
年齢層

🔍 近視とはどんな状態?

目に入ってきた光は、角膜と水晶体で屈折して網膜の上にピントが合うことで、ものがはっきり見えます。近視とは、眼軸(眼球の前後の長さ)が伸びすぎることで、光のピントが網膜より手前に結んでしまい、遠くがぼやけて見える状態です。

正常な目

光が角膜・水晶体で屈折し、ちょうど網膜の上にピントが合う。遠くも近くもはっきり見える。

近視の目

眼軸が長くなりすぎることでピントが網膜の手前に結んでしまい、遠くがぼやけて見える。

眼軸とは?
眼球の前後の長さのことです。正常な眼軸の長さは約24mmです。近視では眼軸が伸びており、近視が1D(ジオプター)進むと眼軸は約0.3mm伸びるといわれています。一度伸びた眼軸は元に戻りません。

📋 近視の種類

種類 度数の目安 特徴
軽度近視 〜−3D 遠くがぼんやり見えるが日常生活への影響は比較的少ない
中等度近視 −3D〜−6D 眼鏡・コンタクトなしでは生活が難しくなる
強度近視 −6D以上 将来の眼疾患リスクが大幅に高まる。要注意。

🔬 なぜ近視は進行するの?

近視の進行には遺伝要因環境要因の両方が関わっています。

🧬 遺伝要因

両親が近視の場合、子どもも近視になりやすい傾向があります。近視に関連する遺伝子も特定されており、遺伝的なリスクの高さは生まれながらに決まっています。

📱 環境要因

近くを見る時間が長い(スマートフォン・タブレット・読書)、屋外活動が少ない、部屋の照明が暗いなどの生活習慣が眼軸の伸長を促進します。

屋外活動が近視を予防する?
太陽光に含まれる明るい光(照度:10,000〜100,000ルクス)がドーパミンの分泌を促し、眼軸の伸長を抑制することがわかっています。1日2時間以上の屋外活動が近視の発症・進行抑制に効果的であると複数の研究で示されています。

⚠️ 近視が怖い本当の理由

「眼鏡をかければ見えるから大丈夫」と思っている方も多いですが、近視が進行して強度近視になると、目の病気にかかるリスクが大幅に高まります。

強度近視で高まる眼疾患 リスクの目安
網膜剥離 最大40倍
緑内障 約3倍
近視性黄斑変性症 リスク大幅増加
白内障(早期発症) 約2〜3倍
⚠️ これらの疾患は最悪の場合、失明につながることもあります。子どものうちから近視の進行を抑えることが、将来の目の健康を守ることに直結します。

🌿 日常生活でできる予防・進行抑制

  • 1日2時間以上の屋外活動:太陽光が眼軸の伸長を抑制します
  • 30cm以上の距離を保つ:スマートフォンや本を近くで見る習慣を改善する
  • 20-20-20ルール:20分の近業ごとに20フィート(約6m)先を20秒見る
  • 適切な照明:暗い場所での読書・スマートフォン操作を避ける
  • 定期的な眼科受診:年に1〜2回は眼科で視力・眼軸長の変化を確認する

🏥 当院の近視進行抑制治療

生活習慣の改善だけでは限界がある場合、医学的な近視進行抑制治療が有効です。当院では以下の治療を提供しています。

① オルソケラトロジー(自由診療)
就寝中に特殊なハードコンタクトレンズを装用し、角膜の形状を整えて日中は裸眼で過ごせるようにする方法です。眼軸の伸長を平均30〜60%抑制するというエビデンスがあり、近視抑制効果が最も高い治療のひとつです。両眼180,000円(片眼90,000円)。
② マイサイト® ワンデー(保険診療)
日中に装用する1日使い捨てソフトコンタクトレンズです。特殊なデュアルフォーカス設計により、視力矯正と近視抑制を同時に実現。3年間の臨床試験で約59%の近視進行抑制が報告されています。8歳以上から使用可能。保険診療が適用されます。レンズ代:6,700円/箱(片眼30日分)。
③ リジュセアミニ点眼液(自由診療)
低濃度アトロピンを配合した近視進行抑制の目薬です。毎日就寝前に1滴点眼するだけで、散瞳などの副作用が少なく日常生活への影響がほとんどありません。国内臨床試験で2年間の継続使用による近視抑制効果が確認されています。診察・検査代1,500円、薬剤代4,380円/月。

📊 治療法の選び方

日中は裸眼で完全に生活したい オルソケラトロジー
日中もコンタクトで視力を矯正したい・スポーツをしている マイサイト® ワンデー
(保険診療)
点眼のみで手軽に始めたい・他の治療との併用を希望 リジュセアミニ点眼液

❓ よくあるご質問

Q. 近視は遺伝しますか?
A. 遺伝要因は関係しています。両親がともに近視の場合、お子様も近視になりやすい傾向があります。ただし、遺伝だけでなく生活習慣(屋外活動の少なさ・スマートフォンの使いすぎ)も大きく影響しますので、環境を整えることで進行を遅らせることができます。
Q. 近視は治りますか?
A. 一度伸びた眼軸は元に戻りません。そのため、現在の医学では近視を「治す」ことはできません。ただし、進行を「抑える」治療法は存在します。成人後はレーシックなどの屈折矯正手術で裸眼視力を改善することも可能です。
Q. 近視はいつ頃止まりますか?
A. 一般的に眼球の成長が止まる10代後半(高校卒業頃)に近視の進行も落ち着くことが多いです。ただし個人差が大きく、20代になっても進行が続く方もいます。
Q. 眼鏡をかけると近視が進みますか?
A. 適切な度数の眼鏡を使用することで近視が進むことはありません。むしろ度数が合っていない眼鏡や、必要な眼鏡を使わないことで目に余分な負担がかかることがあります。定期的に度数を確認することが大切です。

✉️ 院長からひとこと

きしもと眼科 院長 岸本隼人

「近視はただ見えにくいだけ」という認識を変えていただきたいと思っています。近視が進行して強度近視になることで、将来的に深刻な目の病気にかかるリスクが大幅に高まります。お子様の近視が進んでいる場合、できるだけ早い段階から進行抑制に取り組むことが、将来の目の健康を守ることにつながります。「どんな治療があるのか知りたい」「子どもの視力が心配」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

本記事は患者様への情報提供を目的としたものです。治療の適応については個人差があります。診察・検査のうえ医師の判断のもとで治療方針を決定いたします。価格・診療内容は予告なく変更する場合があります。

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