お子様が近視でお悩みの方へ

当院では小児の近視の予防、進行抑制に力を入れております。
近くを見ることが習慣化してしまうと近視になりやすく、放って置くと、進行してしまいます。
お子様の近視が疑われましたら、お早めの受診をおすすめいたします。

近視とは

近視とは眼球の奥行の長さと角膜や、水晶体の屈折力とのバランスが悪いために、目に入った光が網膜の手前で焦点を結んでしまう状態をいいます。
つまり、近くのものを見るときはピントが合いますが、遠くものを見るときはピントが合わずに、ぼけて見えるようになります。
そのために遠くを見る際に眼を細め、顔をしかめるような態勢で見るようになってきます。

正常な目の見え方
正常な目の見え方
近視の見え方(屈折性近視の場合)
近視の見え方(屈折性近視の場合)

原因

近視の原因は、遺伝的な要素と環境的な要素の両方に関係があるといわれています。 アジア人に多く、両親の片親が近視の場合は約2倍、両親とも近視の場合は、約5倍の確率で近視になりやすいといわれています。 環境要因としては近くを長時間見ること、屋外作業が減っていることなどがあります。 現在、中学生になれば半数以上が近視といわれております。近視は学童期に進行し、症状の進行が安定する20代前半までは悪化する傾向にあります。

近視の種類

1.軸性近視

1.軸性近視

眼球の長さが成長とともに通常より長くなるために焦点が合わなくなる状態であり、一般的な近視はこれによるものが多いです。眼の長さが長いと遠くを見るときに水晶体の厚みを十分に薄くしても網膜上でピントが合わず網膜の手前でピントが合ってしまいます。

2.屈折性近視

2.屈折性近視

眼は全体で凸レンズの働きをしています。光を集める力が強すぎると(屈折力が強すぎると)ピントは網膜より前に合ってしまいます。

3.仮性近視

3.仮性近視

真の近視ではなく一過性に近視のような状態になることをいいます。
これは水晶体の厚みを調節する毛様体筋が過度に緊張した状態で、水晶体が厚くなってしまい、網膜より前に焦点を結んでしまうからです。 神経の病気、薬物、外斜視、長時間近くのものを見ていたあとなどに起こります。

近視を進行させない対策

  • 正しい姿勢でみること

    机で勉強する際に本を読んだり、書いたりするときは背筋を伸ばし正しい姿勢で見るようにしましょう。 暗いところで姿勢が悪い状態で勉強したり、寝転がってテレビを見ると目に負担がかかります。 正しい姿勢で明るいところで見ることで眼の負担が抑えられます。

  • 読書、スマホ、ゲームをするときの近業は1時間したら15分の休憩をしましょう

  • 学校の休み時間はなるべく外で遊びましょう。

  • 規則正しい生活(早寝早起き)をしましょう。

  • 定期的な眼科診察をしましょう

    定期的な診察をすることにより、もし近視が出てきた場合でも治療ができる可能性があります。

当院での治療方法

1.WOC(ワック)

1.WOC(ワック)

ワックとは、医療機械の名前ではなく眼科医療機器メーカーの名前となります。
当院では最新型のD-7000という機種を導入 導入しております。前後に動く3D画像をみることにより、眼の異常調節を緩和させる、いわゆる雲霧法を利用したものとなります。
5分ほど使用していただくことにより1時間ほど遠くの方を見たのと同じような効果があるといわれています。大人の方でも疲れ目の方にも非常に効果がありといわれており、推奨しております。 当院通院中の方は、無料にてさせていただいておりますのでお気軽にどうぞ。
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2.調節麻痺点眼治療

2.調節麻痺点眼治療

就寝前にミドリンMという点眼薬をいれることにより、水晶体の厚みを調節する毛様体筋を弛緩させる働きがあります。 それにより、仮性近視によって緊張した毛様体筋をやわらげてやることができます。 但し、副作用として点眼がしみる、散瞳(瞳が広がる状態)が5~6時間続きますので日中は点眼しないようにお願いしております。

3.調節機能改善点眼治療

3.調節機能改善点眼治療

毛様体筋の調節機能の改善のためにミオピンを同時に使用していただく場合もあります。

新しい治療について

上記にて数か月治療するも、残念ながら近視の程度が改善しない場合もあります。 仮性近視以外の軸性近視、屈折性近視、病的近視の場合は、視力回復にも限界があります。 その場合は大概の場合は眼鏡、もしくはコンタクトレンズの作成が必要になってきます。
しかし、今後も放置しておけば成長とともに近視の進行があることが予想されます。

この先は自由診療(保険適応がない治療)となりますが、こんな選択肢もあります。

1マイオピン点眼治療 自由診療

マイオピン点眼治療

マイオピンは小児期の近視進行を軽減させることを目的に、アトロピン0.01%を配合した点眼液です。 Singapore National Eye Centre(シンガポール国立眼科センター)の研究基づいて開発された薬です。
近視の進行が完全に止まるわけではありませんが、少なくとも2年継続して使用することで何も使用しない場合と比べて近視の進行を60%軽減できました。

マイオピン点眼治療のグラフ

下記ブラフよりアトロピンの濃度が高い程、近視の抑制効果が高いことが分かっております。 香港の研究において0.025%のほうが0.01%より近視の抑制効果が高く、0.05%に比べ副反応が少なくバランスの良い濃度であることが報告されました。 当院では、一番バランスの良いと考えられる0.025%マイオピンを採用しております。 マイオピンの公式サイトはこちら

マイオピン点眼治療のグラフ

 

マイオピン点眼の特徴

  • 副作用がほぼゼロといわれています。
  • 近視の進行を平均60%軽減させるといわれています。
  • 日中のまぶしさに影響を与えないため、サングラスは不要です。
  • 眼の遠近調節機能(手元を見る作用)にほぼ影響を与えません。
  • 毎日就寝前に1滴点眼するだけの簡単な治療法です。
  • 目薬(1本5ml)は両眼用で1か月の使い切りです。
  • 本製品はGMP(医製品特別管理、および品質管理基準)準拠の工場で生産されています。

治療費について

初回の処方時
  • 診察、検査費用・・・・・・・
    1,500円(税込)
  • 薬剤代1か月分・・・・・・・
    3,800円(税込)

※処方後1か月ごとに診察させていただきます。
※次回の診察日までの間、ご都合のいいときに来院し、無料で何度でもワックをご利用いただいております。

マイオピンの治療は自由診療です。保険診療とは別日に行います。
健康保険は使用できませんのでご注意ください。

よくあるご質問

マイオピンの副作用はありますか?

瞳孔が開くことによりまぶしさを感じたり、眼の調節機能をわずかに感じられる方はいますが、 就寝前に点眼すれば、朝には元に戻ります。

視力は回復しますか?

基本的には、近視の進行を抑えるものであり、点眼したからといって視力が上がることはありません。 ただ人によっては、仮性近視がもともとある場合、改善し視力があがることはあります。

どれくらい続けますか?
2年以上の継続することをお勧めします。

20代前半までは近視は進行するといわれており、特に成長期においては近視の進行が速いため継続をお勧めします。

眼鏡、コンタクトとの併用はできますか?

可能です。眼鏡、コンタクトを使用しつつ近視の抑制をすることができます。 コンタクトを外した後に点眼してください。

全身への副作用はありますか?

現在のところ報告されていません。他の内服薬、点眼液とも併用できます。

2オルソケラトロジー 自由診療

オルソケラトロジー

オルソケラトロジーは、就寝時に特殊な酸素透過性のあるコンタクトレンズを使用し、角膜の形状を平坦化させることにより視力を改善させる近視矯正法のことです。
就寝前にレンズを装着することにより日中は眼鏡、コンタクトレンズなしで生活することができます。

オルソケラトロジーを学童期の近視の進行しやすい時期に使用することにより、2年間で3~6割の程度の近視の抑制効果が期待できるといわれています。
さらに現在は低濃度アトロピン(マイオピン)点眼との併用療法に関しての研究が進んでおりより強い効果が期待されています。
 

オルソケラトロジーの治療が可能となりました

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