Monthly Archives: 1月 2026

多焦点眼内レンズの選び方について

当院で採用している「先進の多焦点レンズ」比較

現在、多焦点レンズは非常に進化しており、当院では患者様の満足度が特に高い4つのレンズを厳選して採用しています。それぞれの特徴を比較してみましょう。

4つのレンズ比較表

レンズ名 タイプ 手元の見え方 夜間のライト こんな方にオススメ
パンオプティクス 3焦点 ★★★★★ 多少あり スマホや読書を裸眼でしっかり楽しみたい方
オデッセイ 連続焦点 ★★★★★ 多少あり 遠くから手元まで、より自然でスムーズなピント合わせを求める方
ビビティ EDOF(非回折型) ★★★ ほとんどなし 夜間の運転が多い方、コントラスト(鮮明さ)を重視する方
ピュアシー EDOF(非回折型) ★★★☆ ほとんどなし 自然な見え方を重視しつつ、ビビティより少し手元の強さを求める方

各レンズの詳しい特徴

1. パンオプティクス (PanOptix)

「世界中で最も選ばれている、3焦点のスタンダード」

遠・中・近の3箇所に明確なピントの山を作ります。特に40cm〜60cmの手元の視力が安定しているため、スマートフォンや読書の際、最もメガネなしで過ごせる可能性が高いレンズです。

2. オデッセイ (Odyssey)

「遠くから近くまで、隙間のない見え方を追求」

最新の技術により、ピントの「谷間」をなくし、遠くから手元まで連続的に見えるように設計されています。パンオプティクスに近い手元の強さを持ちながら、よりスムーズな視線移動が期待できるプレミアムなレンズです。

3. ビビティ (Vivity)

「単焦点に近い鮮明さと、夜間の安心感」

「非回折型」という特殊な構造により、多焦点特有の光の輪(ハロー・グレア)がほとんど出ないのが最大の特徴です。遠くの鮮明度は抜群で、夜間の運転も安心です。手元は少し弱めなので、細かい文字には薄い老眼鏡を併用する前提で、自然な質感を求める方に適しています。

4. ピュアシー (PureSee)

「自然な見え方と、実用的な手元の両立」

ビビティと同じく、光の輪を抑える設計の最新レンズです。ビビティの弱点だった「手元の見え方」を少し強化しており、日常生活(料理や買い物など)をより快適にこなせるバランスの取れた設計になっています。


結局、どれを選べばいいの?

最終的な決定は、検査結果に基づき医師と相談して行いますが、目安として以下の基準を参考にしてください。

  • 「とにかくメガネをかけたくない!スマホも裸眼で見たい」

    パンオプティクス または オデッセイ

  • 「夜の運転が必須。手元はたまにメガネを使ってもいいから、遠くを綺麗に見たい」

    ビビティ または ピュアシー

  • 「最新の技術で、できるだけ自然に、かつ近くも欲張りたい」

    オデッセイ または ピュアシー


患者様の目の状態(乱視の強さや網膜の状態など)によっては、適さないレンズがある場合もございます。まずは精密検査を行い、あなたの目に最適なライフプランを一緒に立てていきましょう。

霰粒腫と治療について

こんにちは、院長の岸本です。
今回は、霰粒腫の原因から治療法、そしてよく混同される「ものもらい(麦粒腫)」との違いについて分かりやすく解説します。


1. 霰粒腫(さんりゅうしゅ)とは?

まぶたの中にある、脂質を出す腺(マイボーム腺)が詰まり、そこに脂が溜まって「肉芽腫(にくげしゅ)」というしこりができる病気です。

主な症状

  • まぶたの腫れ、コロコロとしたしこり

  • 通常、痛みはほとんどありません

  • 炎症を起こすと、赤くなったり痛みが

  • 出たりすることがあります(化膿性霰粒腫)

「ものもらい(麦粒腫)」との違い

よく似ていますが、原因が異なります。

疾患名 原因 主な症状
霰粒腫 出口が詰まった「脂の塊」 痛みは少ない。硬いしこり。
麦粒腫(ものもらい) 細菌による「感染」 ズキズキ痛む。赤く腫れる。

2. 霰粒腫の治療法

症状の程度や、患者様のご希望に合わせて治療を選択します。

① 保存的療法(まずはここから)

しこりが小さい場合は、自然に吸収されることもあります。

  • 点眼・軟膏: ステロイド薬を用いて炎

  • 症を抑え、しこりを小さくします。

  • 温罨法(おんあんぽう): まぶたを温めることで、詰まった脂を溶かし、排出を促します。

② ステロイド注射

しこりが残る場合、しこりに直接ステロイド薬を注射して小さくする方法があります。手術を避けたい場合に検討されます。

③ 手術(切開による摘出)

しこりが大きかったり、長期間治らなかったりする場合は、手術で摘出します。

  • 内容: まぶたの裏側(あるいは表側)を数ミリ切開し、溜まった脂の袋を取り出します。

  • 時間: 10〜15分程度の日帰り手術です。

  • メリット: 最も確実な解決法で、視界の違和感や見た目の悩みも解消されます。


3. 日常生活で気をつけること

霰粒腫になりやすい方は、目元の清潔を保つ**「リッドハイジーン(眼瞼清拭)」**が効果的です。

  • まぶたを温める 市販のホットアイマスクなどで1日2回、5分程度温めるのがおすすめです。

  • アイメイクに注意 マイボーム腺の出口を塞がないよう、アイラインは粘膜ギリギリまで引かないようにしましょう。

  • しっかりクレンジング 目元専用の洗浄剤(アイシャンプーなど)を使うのも有効です。


まとめ

霰粒腫は良性の腫瘍ですので、急いで手術が必要なわけではありません。人により治るのに数日~数か月かかることもあります。しかし、大きくなると眼球を圧迫して視力に影響が出たり、見た目が気になったりすることもあります。

「これって霰粒腫かな?」と思ったら、まずは一度診察にお越しください。しこりの状態を確認し、最適な治療法を一緒に考えていきましょう。